もっとも、98年にオープンした京都駅ビルは、無機質で巨大な壁がはるか清水寺からも何やら黒くて怪しい物体が居座っているように見えるほど巨大なので、今はむしろそっちのほうが目立つかも知れない。
東寺は弘法大師・空海が真言宗の道場として建立した事で知られ、日本一の高さを誇る五重塔もある。さぞや大昔は京都のシンボルとして遠くからも見えたことだろう。どうも日本人は遺伝的に高い建物やでかい土木建築が好きなものらしい。
東寺というからには当然コンビに当たる西寺もあったが、東西ともに中世以来の戦禍や火災で何度も焼かれたり壊されたりし、そのつどなんとかがんばって再建してはきたものの、西寺の方は最後に残った塔を鎌倉時代に焼かれてからはそれっきり消滅してしまったという。で、残された東寺はというと世界的な重要文化財であり、じっさい広くて大きな寺院である。