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とうじのこうぼうさん
 近鉄京都線で京都へ向かうと、ひとつ手前の駅が“とうじ”である。昔から高架線で、窓から進行方向右手に京都タワーが見え始めるとJR、そして近鉄の京都駅はもう目と鼻の先である。

 もっとも、98年にオープンした京都駅ビルは、無機質で巨大な壁がはるか清水寺からも何やら黒くて怪しい物体が居座っているように見えるほど巨大なので、今はむしろそっちのほうが目立つかも知れない。
 東寺は弘法大師・空海が真言宗の道場として建立した事で知られ、日本一の高さを誇る五重塔もある。さぞや大昔は京都のシンボルとして遠くからも見えたことだろう。どうも日本人は遺伝的に高い建物やでかい土木建築が好きなものらしい。

 東寺というからには当然コンビに当たる西寺もあったが、東西ともに中世以来の戦禍や火災で何度も焼かれたり壊されたりし、そのつどなんとかがんばって再建してはきたものの、西寺の方は最後に残った塔を鎌倉時代に焼かれてからはそれっきり消滅してしまったという。で、残された東寺はというと世界的な重要文化財であり、じっさい広くて大きな寺院である。

 しかし筆者がここをおすすめする理由は当世流行の“お宝探し”でも小難しい美術鑑賞のためではない。
 筆者が紹介したいのは入館料の不要な境内で毎月21日に欠かさず開催されている『弘法さん』と呼ばれて親しまれている、一種の縁日である。
 しかし縁日とは言うものの、いわゆる飲食系の屋台村というよりも骨董市の性格の方が濃い。
 要するに“元祖・ニッポンのフリマ”なのだ。それがなぜ弘法さんと呼ばれるかというと、弘法大師の命日である21日ごとに開かれる縁日だからである。なぜ命日なのに縁日かという事までは不明だが、とにかく好奇心旺盛な人なら絶対に楽しめることは請け合いである。
 小さな工房が出品する創作陶芸からイワクゆえんのある焼き物に鎧兜などのいわゆるお宝的骨董、はたまた一体どこから見つけてきたのかさえよく判らない摩訶不思議な商品まで出回る。
 もちろん季節の植木などもあったりでなかなか楽しい。
 それにしても左の写真のような、出どころに首をかしげるようなもの、そしてその用途もやはり首をかしげてしまうようなものも多い。
 そんなのばかり探して歩いたり、はたしてそれをどんな人が買い求めて行くのか…などなど、マンウォッチングを兼ねて見届けるのもまた一興か。

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