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いちねんざか
 清水寺といえば、筆者は五条坂〜茶碗坂と登ってきて、ぐるっと清水寺を巡ってから三年坂(産寧坂とも呼ぶ)、二年坂…と下ってきてそのまま霊山観音(りょうぜんかんのん)の西側の道を通って高台寺門前のメインストリート“ねねの道”へと抜けるのだが、あるときふと、三年、二年とあって、あれ?なんで一年坂があらへんのや?と気がついた。

  そこで筆者が京都へ行く時に頼りにする愛読書『歩く地図の本』をつぶさに目で追ってゆくと…あった。ちゃんと二年坂の終わったあとに路地のようにして“一念坂”が記載されていた。

 三年坂を三寧坂と書くノリからするといかにもそれらしい。そうすると二年坂も何か別な表記法があるのだろうが、今のところ聞いたことはない。
 とはいうものの、一年坂に関してはその存在すら話題にもなったことがないのではないだろうか。
 京都屈指の観光地でもある清水で、二年坂から三年坂へと大勢の観光客がぞーろぞーろと行列をなすように歩いて降りてきてしまうと、集団の習性としてどうしてもあまり横道には注意を払わないし数メートル先にあるドンツキまで行ききってしまうのではないだろうか。
 そしてそこから皆んな左(西側)へ折れて先に書いたねねの道へと入ってゆくので、あいにく観光客はほとんどがその存在すらも気づかないようなのだが、地図をご覧頂くとお判りのように一念坂はまるでバイパスのような関係になっているのである。
 目立たない上に坂と言うほどの坂でもないので余計に気づいてもらえないようだ。
 場所柄、おちついた雰囲気の喫茶店やちょっとしたクラフトショップもある上に石畳が美しいモダンな小径(こみち)である。おそらくこの石畳も石塀小路同様にもとは京都市電の敷石だと思われるが、現時点では確認はとれていない。
 たまにはコースを変えてこちらを通ってねねの道へ抜けてみてはどうだろうか。

 「へえ、こんなところにこんな小道があったのか」とちょっと得した気分になれる。



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