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ぎおんのからいしちみ
 唐辛子はお好きだろうか。京都は三年坂の『七味屋』といい、錦市場の『ぢんとら』といい、この『祇園味幸』といい、単なるできあいのスパイスショップではなく、店ごとにブレンドも異なればその商品自体が一捻りもフタヒネリもしているという七味の専門店がけっこう多い。
 日本の総合的スパイスといえばやはり完成度の高さにおいて七味に尽きるし、やはり1200年の都だけに芸術としての食文化に薬味がツキモノなので当然といえば当然かも知れない。

 ここ祇園味幸の名物は黄金七味という、黄色い唐辛子である。
 唐辛子はメキシコが原産なので、やはりコロンブスが1493年にスペインへ最初の唐辛子を持ち帰った…という記述が正しいとすれば、それがおそらくシルクロードを通って中国から日本へ薬のようにして渡ったということになるのだろうか。

 面白いのは朝鮮を素通りしていることなのだが、豊臣秀吉の朝鮮侵略の際にあらためてもたらされたという説が韓国でも支持されているらしいので、あれほど赤い食べ物の多い朝鮮半島がもしかしたら最も唐辛子に関しては若い国なのかも知れない。よく日本のものと朝鮮半島の唐辛子とでは味が異なると言われる。

 実際、韓国の唐辛子はほんのりと甘い。料理に使う量はハンパではないが、辛さそのものはたいしたことがない。しかし遺伝的には日本のものと全く同じ唐辛子なのだそうで、試したわけではないが韓国の唐辛子でも日本で経年栽培すると日本のものと同じように辛くなってしまうという。
 いわば京都の葉の小さなもみじをよそで栽培すると、その土地のものとおなじように大きくなってしまうというのに似ている。結局土の微量成分のお陰だと言うことか。

 閑話休題。
 ここ『祇園味幸』のご主人とおぼしきおやっさんは、迫力がある(おとろしいので確認はしていない)。
 京都の人とは思えないほどエッヂの効いた雰囲気の方である。そのおやっさんの話によると、昔日本で食べられていた唐辛子はみなこの店で今メインで扱っている“黄金”の唐辛子だったそうだ。
 しかし時代の流れか、マイルドな(それでも韓国に比べると激辛になるが)赤い唐辛子に人気を奪われていつしか世の中から忘れ去られてしまったのだそうだ。
 それを『祇園味幸』で復刻したものが今名物となった“黄金一味”なのだそうだ。

 筆者は七味バージョンしか知らないが、たしかに辛みが全然違う。それも単純に辛いのではない。奥深さのある辛みで、よくインドの激辛系カレーは最初甘く感じて、あとからドカンとくるものがあるが、こちらは最初からビビビビときてブワッと鼻の頭に汗をかかせる。
 だがそのあとにやんわりとした甘みを感じさせるという逆パターン。こういうスパイスは他にはない。

 一説によると日本の唐辛子の辛さは世界的にもランクもかなり上位にあるらしい。一応はメキシコのJalapeno(ハラペーニョ)とかカリブ海沿岸のハバネロと呼ばれるものが最も辛いものらしいが、日常的に用いる唐辛子としては世界有数の辛みということである。
 と、すればこの黄金唐辛子を用いた七味はかなりイケテル唐辛子ということになる。

 ただ、筆者としては辛さ体験的な雰囲気の一味よりは、ブレンドが絶妙な七味をおすすめしたい。
 実際に四条通りに来られて迫力のあるおやっさんから買うも良し、祇園味幸で検索すれば通販しているネットショップもあるのでスパイス好きの方はぜひお試し願いたい。

住所:京都市東山区祇園町240 電話番号:075-551-4985
営業時間:11:00〜20:00 定休日:月休(祝日の場合は翌日)

祇園味幸
祇園七味 竹筒入り
by カエレバ
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