ふと見ると真新しい立て札(左上の写真)が立っていて、丸太を埋めた杣道(そまみち)が脇の山の方へ伸びている。地図を見るとなるほど、この先にも『神寳神社』という神社があるらしい。
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クヌギやシイの木の落ち葉で埋まる坂を登ってゆくと、門前にパッチワークのようなものを吊った板と石造りの鳥居が見えてきた。近寄ってみるとそれは願い事の書かれた無数の千代紙の紙雛だった。
しつらえられた但し書きによると“かなへ雛”といい、災難除けの身代りお祓いや縁結び、立身出世に霊験あらたかだそうである。写真では隠れているが、男女がこうべを垂れている目線の先にはこのお雛様とサインペンが置かれていて、願い事を書くようにしつらえてある。
境内はこぢんまりとしているが、ご覧のように真新しい立派な拝殿があって、左右に狛犬ではなく天龍と地龍というこれまた真新しい二匹の龍が鎮座している。だが小さいがちゃんとした社務所もある神寳神社の縁起は古いらしく、伏見稲荷の誕生と時期を同じにしているそうだ。
さらに少し離れた隣には龍頭大神を祀った『龍頭社』という祠(ほこら)もあり、そこにはいわくありげな絵馬が多く懸かっている。